第3章 天翔(あまかける)大翼神(おおさのかみ) −2007−


見渡す限りの澄んだ青い空 眼下には白い雲が広がり その隙間からは青い海を臨む

天にそびえる空の国 民の背には紋があり 日の光を浴びると大翼と化し 空を自由に飛ぶことができる

国の中心には神殿「千羽宮(せんばきゅう)」があり 国の守護神が奉られている その昔 嵐をまとう魔物から国を守ったという三人の守護神

一人は()(けい)()(せい)」 一人は(ゆう)()羽衣(はごろも)」 一人は賢弟(けんてい)楽子(らくし)

獅星はその大翼にて 吹き荒れる風と魔物をなぎ払い 羽衣はその大翼にて 民をつつみ守り

楽子はその大翼にて 民に勇気と笑みをもたらした 国子(こくし)ありて(こく)(えい)をもたらす」

それ以来 三人を「天翔大翼神」として奉り その勇姿を称え祭を開く

今日はその祭の日 宴の声が聞こえ 千もの翼が天を翔け舞い踊る

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