第3章
見渡す限りの澄んだ青い空 眼下には白い雲が広がり その隙間からは青い海を臨む
天にそびえる空の国 民の背には紋があり 日の光を浴びると大翼と化し 空を自由に飛ぶことができる
国の中心には神殿「千羽宮」があり 国の守護神が奉られている その昔 嵐をまとう魔物から国を守ったという三人の守護神
一人は覇兄「獅星」 一人は優姉「羽衣」 一人は賢弟「楽子」
獅星はその大翼にて 吹き荒れる風と魔物をなぎ払い 羽衣はその大翼にて 民をつつみ守り
楽子はその大翼にて 民に勇気と笑みをもたらした 「国子ありて国栄をもたらす」
それ以来 三人を「天翔大翼神」として奉り その勇姿を称え祭を開く
今日はその祭の日 宴の声が聞こえ 千もの翼が天を翔け舞い踊る