第1章
とある小さな村から心躍る賑やかな音が聞こえてくる 年に一回開かれる村をあげての祭りである
男達は雄々しく神輿を担ぎ 女達は美しく優雅に舞い 周りにいる子供達のかけ声は村に更なる活気を与えていた
祭りの盛り上がりが最高潮に達しようとしたとき 空が曇り 風が吹き始めた
風はどんどん強くなり その吹き荒れる風に森の木々がざわめき出した
「ドン!」と地響きがした瞬間 なんと森の中から大きな鬼が現れた
雄叫びをあげ 木々をなぎ倒しながら どんどん村に近づいて来る
村人達は力を合わせ食い止めようとした
そのときである 空に閃光が走り 流星のごとく勇者が現れた
勇者は空を翔け 華麗な動きであっという間に鬼を退治してしまった
空は明るさを取り戻し 村では祭りが再開された
「わっしょい!」の掛け声も一折大きく響き渡り 夜が明けるまで祭りは続いたそうである